どうも、音無です。
地震はいつ発生しても不思議ではない日本ですが、冬の時期に発生する前提の備えはしているでしょうか。
保存食や飲料水の備蓄、家具類の転倒防止などを施す人は多いようですが、季節的な備えも大切です。
例えば、2011年に発生した東日本大震災は、3月11日という寒さも残る時期でした。
更に遡ること1995年、阪神・淡路大震災は1月17日に発生しており、寒さも厳しい冬の時期です。
過去に発生した地震の時期から見ても、冬場に起こる可能性は十分考えられます。
なお、冬の地震は寒さの影響と重なるため、広域にわたり被害が拡大するとも言われています。
特に、寒さや雪が厳しい豪雪地帯で地震が発生すると、被害の拡大は想像に難くないです。
そのため、冬場の地震を想定した防災グッズを備えることも非常に重要。
そこで今回は、冬の地震に備えておきたい防災グッズについてご紹介していきます。
冬の地震発生を想定して防災グッズを備えるべき理由

冬の地震は、他の季節とは違い、雪や寒さが影響して被害が拡大する恐れがあります。
例えば、地震後に発生しやすい二次災害の一つ、「ライフラインの寸断」が起こると非常に危険です。
ライフラインが寸断することで、地震とは直接関係のない災害関連死で亡くなることも考えられます。
そのため、適した防災グッズを備えることが重要なのですが、以下でさらに詳しくご説明していきます。
ライフラインが停止すると暖房器具が使えない

ライフラインが寸断すると、電気の供給がストップしてしまうので、冬場に必須な暖房器具を使用することができません。
もちろん、暖かい服を着こむことで多少は寒さを凌ぐことはできると思います。
ですが、空間自体を温める暖房器具が使えないと、生活が厳しい地域もあるので問題です。
もし、体を温めることができずに寒さを我慢しすぎると、「低体温症、凍傷、インフルエンザ」などの症状を引き起こす可能性があります。
このとき、すぐに停電が復旧すれば安心できるのですが、地震の影響次第では難しい場合もあります。
区分 | 震災直後 | 復旧直後 |
---|---|---|
電気 | 約260万戸停電 うち兵庫県は100万戸 | 平成7年1月23日 倒壊家屋等を除き復旧完了 |
ガス | 約84万5千戸が供給停止 | 平成7年4月11日 倒壊家屋等を除き復旧完了 |
水道 | 約127万戸が断水 | 平成7年2月28日復旧完了 平成7年4月17日全戸通水完了 |
電話 | 交換機系:約28万5千回線が不通 加入者系:約19万3千回線が不通 | 平成7年1月18日復旧完了 平成7年1月31日 倒壊家屋等を除き復旧 |
例えば、上記は阪神・淡路大震災におけるライフラインの復旧に要した日数です。
地震発生時の1月17日から計算すると、電気6日、ガス84日、水道90日の日数を必要としたとこがわかります。
もちろん、復旧が早かった地域もあるとは思いますが、地震によってライフラインが寸断すると、すぐには復旧しないことを理解しておくことも重要です。
そこため、冬場の地震に備えた防災グッズを用意しておくことはとても大切です。
避難所での生活も厳しい

地震による被害状況によっては、自宅を離れて避難所で生活せざるを得ないこともあります。
このとき、避難所で最低限の生活ができる防災グッズを用意しておかなければ、厳しい状況の中で避難生活を続けなければいけないことも考えられます。
例えば、避難所には基本的に災害用の備蓄品や設備が備えられていますが、必ずしも充実しているわけではありません。
中には、寒さを凌ぐ暖房設備が備えられていない避難所もあるからです。
当然ながら、避難所に暖房設備が備えられていなければ、寒さの中で生活せざるを得ません。
なお、ある程度の備蓄品や暖房設備が整えられた避難所であっても、多くの被災者が避難をしてきた場合は数が足りないこともあります。
そのため、冬の地震に備えた防災グッズを事前に用意しておかなければ、寒い中で避難生活をしなければならず、低体温症やインフルエンザを発症してしまうリスクも高くなってしまうのです。
豪雪地帯では食料品を手に入れるのも困難

日常生活で消費する食料品とは別に、災害用の保存食を備えておくことはとても重要です。
特に、ライフラインが寸断すると、電気、ガス、水道が使用できないので、調理ができずに食べることができないこともあります。
このとき、多くの人はお店で簡単な食べ物や飲み物を購入しようと考えます。
しかし、既に多くの人がお店に殺到しており、生活に必要な食料品はほぼ売り切れてしまうケースが多いです。
これについては、阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震などでも実際に起きていました。
なお、豪雪地帯にお住まいの場合は、そもそもお店までたどり着くことができない可能性が高いです。
なぜなら、停電によって主要道路の「消雪パイプ」が停止して、雪によって道が埋もれてしまうことがあるからです。
また、除雪車も災害時には緊急を要する箇所を集中して除雪を行うので、とても車や徒歩ではお店まで行くことができないこともあります。
冬に地震が発生すると、このような影響も十分考えられるので、食事や水分補給に困らない防災グッズの備えをしておくことが重要です。
冬の地震発生に備えておきたい防災グッズ

冬場に地震が発生すると、その後の生活で様々な影響を及ぼします。
特に、ライフラインが寸断してしまうと、復旧するまで寒さの中で生活をしなければいけません。
こうした状況を少しでも改善するために、冬場の地震に適した防災グッズを備えておくと安心です。
しかし、なにを備えればいいのかと悩まれるかもしれません。
そこで、どのような防災グッズを用意しておくべきかをご紹介していきます。
一般的な防災グッズとあわせて備えておくと役立つので、参考にしてみてください。
保存水、飲料水

地域によっては、雪の影響でお店まで行くことができない場合もあります。
仮にお店へたどり着いても、既に人が殺到しており、飲食物が手に入らないことも災害時には普通に起こります。
そのため、無理に買い出しに出かけなくても食事や水分補給ができるように、保存食や飲料水を備えておくことが重要です。
例えば、災害用として作られているアルファ米を用意しておくと、水を入れるだけで食べることができます。
飲料水については、長期保存ができる保存水を備えおくと安心です。
なお、冬場の地震は寒さと雪が影響して、物流の再開や支援物資の提供が遅れがちになります。
そのため、3日間以上は飲食に困ることのない量を備えておくことが大切です。

簡易トイレ

停電や断水が起こると、残念ながらトイレの水を流すことができません。
ですが、トイレは人間が生きるために必要不可欠です。
そこで、水を使わなくても使用できる「簡易トイレ」を備えておくと安心です。
簡易トイレを用意しておくことで、わざわざ寒い中に仮設トイレの設置場所まで行くことや、利用待ちの長蛇の列に並ぶ必要もありません。
ご家庭のトイレに設置するだけですぐに使えるので、必ず備えておくべき防災グッズです。

寝袋、毛布

寝袋や毛布を用意しておくと、自宅、避難所問わずに暖かくして眠ることができます。
冬の寒さの中では暖かくして眠らないと、体調不良を引き起こす原因となります。
地震後は、医療機関への受診が難しくなる傾向にあるので、寒さが影響して体調不良になることを防ぐよう、寝袋、毛布を防災グッズの一つとして備えておくと安心です。
なお、携帯できる「使い捨てカイロ」を準備しておくことでも、身体の冷えやすい箇所を温めることができるのでおすすめです。
懐中電灯、LEDランタン

停電中は、電気をつけることができないため、暗い中で移動や生活をすることになります。
しかし、冬場に停電すると辺り一面真っ暗で、とても安全に行動することはできません。
そうしたときに、「懐中電灯」と「LEDランタン」を備えておくと、周囲や部屋全体を明かりで照らすことができます。
明かりがあるのとないのとでは、生活環境が大きく変わるので、用意しておくことをおすすめします。
なお、LEDランタンの他にもガスやガソリンランタンがあるのですが、素人には扱いが難しいので正直おすすめはできません。
特に、使い方を誤ると、火災や一酸化炭素中毒になる可能性があるので、素人でも安全に使えるLEDランタンを用意しておくと安心です。


カセットコンロ、カセットボンベ

地震の影響でガスが使えなくても、「カセットコンロ」を備えておくと温かい食事をとることができるようになります。
特に、冬場は体が冷えてしまうので、温かい食事をとって全身を温めることが重要です。
このとき、カセットコンロを準備しておくと、先ほどご紹介をした、アルファ米やインスタント食品に熱湯を注ぐことができます。
もちろん、水さえあれば、レトルト食品を温めることも可能です。
カセットコンロを備えておくと、食事のバリエーションが豊かになるので、冬場の地震に備えた防災グッズとして1台備えておくことはほぼ必須です。
なお、「ガスボンベ」の燃焼時間はメーカーによって若干異なりますが、強火で約1時間程度です。
そのため、6~12本を備えておくと比較的安心できます。
ポータブル電源

冬場の停電対策としてポータブル電源を備えておくと、様々な家電製品の電力供給に使用することができます。
ポータブル電源の種類によって能力は異なりますが、テレビ、スマートフォンの充電、炊飯器、電気ケトルなどに電気を供給することができます。
地震によって停電が起こると、被害の規模次第ではすぐに復旧しません。
例えば、阪神・淡路大震災では260万戸の停電復旧に6日間、東日本大震災においては、400万戸超えの停電復旧までに7日間ほど時間がかかっていました。
それ程の日数を、冬の寒さに耐えながら生活することは現実的ではありません。
そのため、「ポータブル電源」を1台備えておくと、地震だけでなくどのような災害からでも、あなたや家族の助けとなってくれます。

冬場の地震で自宅から避難をする際に注意しておくべきこと

冬場に地震が発生して自宅から避難をする際に、事前に注意しておきたいポイントがあります。
特に、気温の低い地域ではよくあることなので、安心して避難ができるようにチェックをしてみてください。
屋根に積もった雪に巻き込まれないよう注意

豪雪地帯では、一夜にして屋根に30㎝以上の雪が積もることは珍しくありません。
このとき、地震の影響で屋根から雪が落ちたり、通路が塞がれてしまうことがあります。
そのため、地震発生後に自宅から避難をする際には、頭上に気をつけながら避難をすることが重要です。
また、どのような場所に雪が落ちて通路を塞ぎやすいのかも、日頃からよく確認をして調べておくと安心です。
避難時にはブレーカーを落としてガス栓も閉める

冬場では、寒さを和らげるために、暖房器具を使用しているご家庭は少なくありません。
しかし、地震によって停電が発生すると、暖房器具の電源は入ったまま切れてしまうことになります。
このとき、暖房器具の電源がONの状態のまま避難をしてしまうと、復旧した際に再び動作して火災へつながることもあるのです。
事実、阪神・淡路大震災では暖房器具による「電気火災」が起き、多くの建物が延焼しました。
そのため、自宅から避難をする際にはブレーカーを落とし、ガス栓も閉めておくと、火災のリスクを抑えることができるので安心です。
車中泊をするなら一酸化炭素中毒に注意

地震後に自宅から避難をするとき、避難所ではなく車中泊を選ぶ人もいます。
「車の方が安心」「プライバシーが守られる」「ペットがいる」など、理由は様々です。
しかし、冬場の車内は常時暖房をつけていなければ、気温が低くなるので生活しづらくなります。
そのため、眠るときもエンジンをかけたままにする人がいるのですが、一酸化炭素中毒になる恐れがあるので危険です。
エンジンの排気ガスには、有毒な一酸化炭素が含まれており、もしマフラーが雪で覆われてしまうと、車内に一酸化炭素が充満してしまいます。
なお、一酸化炭素は無色・無臭なので気付くことができず、最悪死に至ります。
そのため、眠るときは必ずエンジンを切り、雪が降る地域ではマフラーが塞がれないように注意をすることが重要です。

まとめ:冬場の地震に備えて適切な知識と防災グッズを用意しておく

今回は、冬に備えておきたい防災グッズについてご紹介をしました。
冬場に地震が発生すると、ライフラインが寸断することもあり、暖房器具を使えない状態で生活せざるを得ないことがあります。
また、調理器具が使用できずにご飯を作れなかったり、水道が止まり飲み水に困ることもあるのです。
こうしたことを防ぐために、冬の地震に適した防災グッズを備えておくことが重要です。
あなたや家族の身を守るためにも、本記事を参考に危険なポイントを把握し、冬場に適した防災グッズの備えを検討してみてください。
それでは、今回はこれで以上です。
