どうも、音無です。
地震の発生が多いと感じる今日この頃ですが、自宅から避難せざるを得ない状況へなった際、どこを思い浮かべますか。
状況にもよるでしょうが、生活面のことを考えると、基本的には「避難所」を思い浮かべる人が多いです。
確かに、避難所は雨風を凌ぐことができますし、支援物資の提供を受けながら最低限の生活を確保できます。
しかし、中には避難所へ向かうのではなく「車中泊」を選ぶ人もいます。
例えば、2016年に発生した熊本地震では、多くの被災者が車中泊を選び避難生活をされていました。
「車の中が安全だと思った」「避難所での生活には抵抗がある」「ペットがいるから」など、理由はさまざまです。
このとき、車中泊で避難生活をするためには、適した防災グッズを揃えておくことが大切です。
また、車中泊にはリスクもあるので、事前に危険なポイントも理解しておく必要もあります。
そこで今回は、地震により車中泊をする際に備えておきたい防災グッズと危険なポイントをご紹介します。
地震に備えた車中泊の防災グッズを準備するときに避ける危険ポイント

車中泊は自宅や避難所とは異なり、生活環境が大きく異なります。
狭い車内の中で、避難生活を送らなければいけないという理由もありますが、必要とする防災グッズも異なるからです。
例えば、夏場は厳しい日差しの影響で外気温が上昇し、必然的に車内の温度も高くなってしまいます。
反対に、冬場は太陽の出ている時間が短いことから外気温が下がり、車内の温度も低く寒くなります。
こうした季節の影響も考慮しつつ、車中泊に適した地震用の防災グッズを備えることが重要です。
なお、他にも気を付けておきたい危険なポイントがありますので、以下でご紹介をしていきます。
夏用にクーラーボックスを用意しておく
天候晴れ・気温35℃ | 車内最高温度 | 車内平均温度 | ダッシュボード最高温度 |
---|---|---|---|
対策なし(黒) | 57℃ | 51℃ | 79℃ |
対策なし(白) | 52℃ | 47℃ | 74℃ |
サンシェード装着 | 50℃ | 45℃ | 52℃ |
窓開け(3㎝) | 45℃ | 42℃ | 75℃ |
エアコン動作 | 27℃ | 26℃ | 61℃ |
上述でお伝えした通りで、季節によって車内の温度は異なるので、車中泊での避難生活に大きな影響が出てきます。
例えば、上記はJAF(日本自動車連盟)が夏場に行った、車内温度の変化状況のテスト結果ですが、同じ条件でも車のボディカラー(黒と白)が違うだけで車内温度に違いが見受けられます。
結果的に、夏場は車内の温度がものすごく上昇することが理解できる内容なのですが、こうしたことを理解した上で防災グッズを備えることも重要です。
例えば、夏場に地震用として用意していた保存食や飲料水をそのまま積んで保管してしまうと、車内温度の影響で傷んでしまい摂取できなくなってしまいます。
当然ながら、傷んだ食品や飲料水を摂取してしまうと、腹痛、下痢、嘔吐などの食中毒が発症し、大変な目に遭います。
地震により、車中泊せざるを得ない状況の中、食中毒まで発症してしまうと最悪の場合は災害関連死を招きかねません。
そのため、夏場の車中泊でも安心して食事や水分補給ができるように、防災グッズの一つとして「クーラーボックス」を用意して備えておくと安心です。
クーラーボックスを備えることで、夏場の気温から保存食や飲料水が傷んでしまうことから守り、安心して摂取できるようになります。
夏場は車内に人を残して離れない

夏場で怖いのは食中毒だけでなく、車内の気温上昇で発症する「熱中症」もです。
車中泊で熱中症の発症を防ぐ方法には、常時エアコンを使うことはもちろんのこと、フロントガラスにサージェントを装着させる対策も有効です。
なお、エンジンを停止するとエアコンが切れて車内温度はすぐに上昇してしまうため、必ず車から降りるなどして車に人を残さないことが重要です。
特に、スーパーやコンビニなどへ食料品を購入しようとするとき、車内に赤ちゃんや小さな子供を残したまま離れる保護者が意外にも少なくありません。
地震とは状況が異なりますが、パチンコやお酒をお店で飲むことを目的とした保護者が、夏場に子供だけを車内に残し、熱中症によって死亡させる事件が少なからず発生したりしています。
当然ながら、こうした身勝手な動機は殺人に該当して懲役を科せられます。
もし、あなたが上記と同じように、夏場にエンジンを停止して離れたり、知らぬ間にガソリン切れでエンジンが停止してしまうと、残された赤ちゃんや子供は熱中症で危険な状況へ陥り最悪死に至ります。
そのため、たとえ短い時間であっても車から離れるのであれば、車内に人を残さないことが重要です。
冬場は一酸化炭素中毒に注意する

冬場は外気温が低いので、車内の温度も低くなりがちです。
そのため、冬場に発生した地震後に車中泊をする多くの人は、暖房や毛布を使って寒さを凌ぎます。
しかし、このときに気を付けておきたいことは、車のエンジンをかけたまま暖房をつけ眠らないことです。
特に、雪が積もる地域で気を付けるべきことなのですが、眠っている間に雪が積もってマフラーが覆われてしまうと、一酸化炭素が車内に充満してしまいます。
エンジンの排気ガスには、有毒な一酸化炭素が含まれており、無臭・無色なので気付くことができません。
このとき、最悪眠っている間に一酸化炭素中毒によって死に至ることもあり得ます。
こうした危険を避けるためには、エンジンは停止して冬用の寝袋や分厚い毛布などを事前に備え、眠ることが大切です。
緊急脱出用ハンマーの備えも重要

大地震が起こると、高い確率で二次災害が発生します。
例えば、ライフラインの寸断、地割れ、津波、火災などです。
事実、2011年に発生した東日本大震災では、大きな津波が押し寄せ住宅や車を飲み込んでいきました。
このとき、もし車に乗ったままの状態で津波に飲み込まれて水没すると、脱出することが非常に困難となります。
実は、車が水没した状態でドアの開閉をするには5倍以上の力を必要とする結果が、JAF(日本自動車連盟)のテストで確認されています。
そのため、車中泊の最中に車から脱出する必要のある二次災害に巻き込まれる可能性を想定し、防災グッズとして「緊急脱出用ハンマー」を備えておくことが重要です。
車の強化ガラスは、安全性の面から割れにくい構造となっています。
なので、普通のハンマーでは割れにくく、最悪逃げ遅れてしまう可能性も否定できません。
それに比べ、緊急脱出用ハンマーは文字通り、緊急に脱出することを目的として作られたハンマーなので、軽い力でガラスを割ることが可能です。
子供や女性の力でも簡単に窓ガラスを割ることができるので、1つ備えておくと安心です。
エコノミークラス症候群にならない行動が重要

熊本地震を機に、問題として取り上げられることとなった、車中泊によって発症することのあるエコノミークラス症候群。
エコノミークラス症候群とは、窮屈な空間に長時間同じ姿勢でいると血の流れが悪くなり、やがて血に塊ができて肺や性脈を詰まらせてしまう症状を引き起こす病気です。
エコノミークラス症候群は、飛行機内で発症しやすいとよく言われていますが、車中泊でも発症することはあるようです。
エコノミークラス症候群が発症すると、突然胸痛や息切れが起こり、最悪死に至るとのこと。
事実、熊本地震で車中泊をされていた方の中には、エコノミークラス症候群を発症して亡くなられた方もいました。
そのため、地震後に車中泊をする場合にはエコノミークラス症候群を発症しないように、十分注意をしなければいけません。
なお、エコノミークラス症候群を予防する方法として、「適度に外に出て運動をする、水分をしっかり補給する、足のマッサージを定期的にする」などがあります。
地震に備えておきたい主な車中泊用の防災グッズ情報

地震に備えた、車中泊の防災グッズを準備するときに避ける危険ポイントを確認したところで、次に行うべきことは防災グッズの用意です。
地震後に、適した車中泊ができるような防災グッズを備えておくことで、安心した避難生活を送ることができるようになります。
そこで、ここでは地震に備えておきたい主な車中泊用の防災グッズについてご紹介をしていきます。
なお、「クーラーボックス」や「緊急脱出用ハンマー」については、上述でご紹介をしていますので、必須な備えではありますがここでは割愛をしています。
保存食・飲料水

車中泊に限らず、地震に備えて保存食や飲料水を備蓄しておくことは重要です。
地震後は、どうしてもお店に人が殺到する傾向にあるので商品が売り切れとなり、欲しい物を手に入れることが困難になります。
地震の被害状況によっては、数日にわたって物流の途絶えが続き、支援物資の提供も遅れがちになります。
こうした状況に対応できるよう、最低でも3日間は自分の力で生活できるような、保存食や飲料水を備えておくことが大切です。

簡易トイレ、目隠しポンチョ

飲食だけでなく、人間が生きるためにはトイレも必要不可欠です。
しかし、車中泊をする場所によっては利用できるトイレがないことも考えられます。
もちろん、大地震が発生すると仮設トイレが設置されますが、すぐには組み立てが行われません。
そのため、どの場所で車中泊をしていたとしても、利用できる「簡易トイレ」を備えておくことが重要です。
簡易トイレの種類によっては、組み立て式便座も付いているので、どこでも安心して利用することができます。
なお、野外でトイレをしなければいけない場合は、「目隠しポンチョ」も備えておくことで、プライバシーを守ることができます。

ブランケット、毛布、寝袋

ブランケット、毛布、寝袋など、季節に応じた眠るための物を備えておくと、車中泊でも眠りにつくことができ疲れを癒すことができます。
また、外で行動する際にも羽織ることができるので、とても便利です。
懐中電灯、LEDランタン

懐中電灯を備えることで、夜でも周囲を確認でき、LEDランタンがあれば空間を照らすことができます。
そのため、地震用の防災グッズとして備えておくと、車中泊だけに限らず使用できます。
なお、LEDランタンの他にも、ガスやガソリンを使用して明かりを照らすランタンがあるのですが、使い方を誤ると火災や一酸化炭素中毒になる可能性があります。
そのため、素人でも使いやすいLEDランタンを備えると安心です。

まとめ:危険ポイントを知り地震に備えた車中泊用の防災グッズを準備する

今回は、地震に備える車中泊用の防災グッズと危険なポイントについて解説しました。
日本に住んでいる以上、今後も大きな地震が発生することは十分考えられます。
このとき、地震の影響によっては自宅で生活することができず、避難所で生活せざるを得ない状況も否定できません。
しかし、避難所に行くのではなく車中泊を選ばれる人もたくさんいます。
ですが、車中泊をするには適した防災グッズの備えと危険なポイントを理解した上で行うことが重要です。
そうすることで、車中泊による避難生活を送ることができるようになります。
それでは、今回はこれで以上です。
